2014年07月24日

簡単なことをしっかりとやろう

「受験勉強」と聞くと何か高度なことをやるイメージを持つ人が多いのですがそれは間違いです。

もちろん合格のためには多少高度なことも身につけねばなりませんが、それは割合としては極わずかです。

また、高度なことを学ぶためにはその前提として「簡単なこと」がちゃんと出来なければいけません。

簡単なことがちゃんと出来ない状態で高度なことを学ぼうとしても、全部が空回りして結局うまくいきません。

以前の教え子でとっても英語が苦手な生徒がいました。中学の頃から本当に苦手で、高校に入っても赤点以外はとったことがなかった。

僕は彼女を高校1年から担当していたのですが、高3を迎える頃になっても全く力をつけてあげることができていませんでした。

十分に簡単なことからやっているつもりなのに全然伸びてこない。

いよいよ大学受験を控えた高3になってしまうところで、思い切って開き直りました。

「できなくなったところまで戻ろう!」

で、どこまで戻ったかというと中学1年の1学期です。もう、本当に最初。6年前にタイムスリップ。

「こんなことやっていて本当に間に合うのか?」

と不安がる生徒でしたが、本音を言えば僕も不安です。

でも、今の指導では伸びないことがもう2年もかけて証明済みなのですから、これ以外に道はないわけです。

結果どうだったか。

彼女は大学には受からず、今は浪人生活を送っています。

でも、英語の苦手は随分解消されました。

先日、センター英語の過去問で152点が取れたという報告をもらいました。

ちなみに昨年のデータを見ると、7月6日の点数が39点です。

随分頑張ったね。今年は合格しような。

で、思ったわけです。

こんな風に中学英語からの積み直しをしたら点数が伸びてくるってことは、中学で学ぶことは想像以上に大切なんじゃないかと。

そこで調べました。

もっともわかりやすくて定量的にはかりやすいのが英単語なので、英単語という切り口でセンター試験を分析してみます。

センターで使われた全部の単語をexcelに打ち込んでいって、同じく中学英単語・高校1年・高校2年…と打ち込んで、vlookupでぶつけてピボットで集計。

と言う形で調べてみたら、面白い結果が出ました。

まず前提としてですが、受験用の英単語集には基礎単語が掲載されていません。

「大学受験生ならこれくらいは知ってるよね?」

という前提で省かれています。もちろんここには、

「このレベルの単語まで掲載していたら単語集が分厚くなってしまってうれない」

という商売上の理由もあります。

という前提の上で、「受験用単語集から省かれた基本単語」と「受験用単語集に載っている英単語」の2つの切り口でセンターの英単語を調べてみると、次のような結果になりました。

<受験用単語集から省かれた基本単語>
・中学英単語の占める割合…43%
・高校基礎(1〜2年)の英単語の占める割合…37%
 
 合計80%

受験用英単語集に載っている単語の割合
…ターゲット1900の場合 27.9%
…シスタンの場合    24.3%

 大体25%前後

なんと、基本である「簡単な」単語が全体の80%を占めるのです。

つまり、基本的な80%の単語は知っていることを前提に、残りの20%くらいをしっかり覚えていこうというのが受験用英単語集のコンセプトなわけです。

ちなみに、これはセンターだからこうなるかというと、そういうわけではありません。

同じことを早稲田、同志社、京都あたりの英文でやってみても(多少難単語の割合が増えるにしても)同じような傾向になります。

言い換えれば、「簡単な」基本単語80%の中に穴が空いている状態でいくら受験用の「高度な」英単語に手を出しても、知ってる単語は全然増えていかないということです。

うん。やっぱり基礎は大事だね。

先に挙げた英語が苦手な生徒の事例にしても、今挙げた英単語にしても、やっぱり受験で大切なのはまず何よりも「簡単なこと」をちゃんとできるようにすることなんだということがよくわかります。

一点、この基礎で大事なのは「わかるかどうか」ではなく「できるかどうか」です。

それも、「時間をかければできる」ではなく「即答できる」というレベルの定着度が大切です。

「中学や高校1〜2年レベルのことならわかります」

という生徒はたくさんいますが、この「わかる」にもレベルがあることを知っておきましょう。

「理解はできる」「時間をかければできる」「いくつかミスはあるけれど大体解ける」「即答できる」

どれも「わかる」のうちに入りますが、全然レベルは違います。

「簡単なこと」は上記の中では「即答できるレベル」で身につけねばなりません。


もしも頑張っているのに成績がうまく伸びないとしたら、難しいことに取り組むよりも、このような「簡単なこと」がわかっているかどうか、そしてそれが「即答」のレベルに仕上がっているかどうかに目を向けてみると良いかもしれません。

というわけで松明塾ではこの夏期講習期間に受験に向けた勉強と並行して中学の復習を徹底的にやっています。

実際にやってみると、上記の「大体わかる」状態にある生徒が非常に多いことがわかります。

あぶないあぶない。せっかく彼女が浪人してまで僕に教えてくれた経験を無駄にするところだった。

これは恐らく「英語が苦手な○○くん」といったレベルの話じゃなくて、松高生や松女生の共通の特徴だと思います。

ですから、もしこれを読んでくれた松明塾生以外の松高生・松女生がいたら、取り返しがつかなくなる前に「自分もそうじゃないか?」と疑ってみてください。

もちろん中学の内容ばかりやってるわけにもいかないので並行作業にはなるけれど、この夏の間にちゃんと即答レベルまで仕上げましょう。

それが2学期以降の成績アップに非常に大きな意味を持ってくるはずです。

posted by たいまつ at 11:47| Comment(0) | 勉強法

2014年07月19日

1日にできることは限りがある。でも、思っている以上に多い。

今日から夏期講習が始まりました。

といっても、松明塾では夏期講習で何か特別なことをやるわけではありません(料金もそのままですし)。

夏休みだからといって普段はやらないことをやるってのも変な話ですよね。

やる必要のあることなら夏休みでなくともやるべきですし、あまり必要のないことなら夏だからと言ってやる必要もありません。

僕らの指導は全て年間計画ベースですから、その年間計画の達成に向けていつものように勉強に励むのみです。

とはいいつつも、夏はやっぱり特別です。なんと言っても時間が長い。

普段は学校に行ってから放課後の時間を勉強に使うので、やれることはそう多くありませんが、夏は違います。

でも、そんな風に使える時間が長くなると、どうしても「休憩時間」も長くなってしまうのが人として当然です。

そのため、松明塾では夏に限り「塾滞在時間」を塾側が決めます。

今年は8:30〜22:00が受験生の「塾滞在時間」です。自分の都合云々ではなく、8:30に勉強を始め、22:00までやる。

何をやるかは自分で計画を立てるけれど、計画が早めに終わったからと言って予定より早く上がるのはナシ。

その場合には予定に無くとも復習を入れたり、次の日の予定を前倒しにしたりして22:00までやるのがルールです。

そんな風に過ごしてみることでわかることがたくさんあります。

1つは1日にできることがいかに多いかということ。

放課後の勉強に慣れている人・予定が消化できたら切り上げる勉強をしてきた人はびっくりします。

「うお!全部終わったけどまだ5時だ」

って。その後、疲れてきつつも、じゃああれをやろう、これをやろう。

そうしていると、更に疲れてきます。もうこれ以上やれないと思って時計を見ると、

「うお!まだ8時だ。あと2時間もある」

この段階になると圧倒的に効率が下がるのですが、それでも全然OK。ヘロヘロになりながら、次にやるべきこを探します。

そうやって22:00を迎えるとものすごい疲れます。

「1日に出来るコトってこんなにあるんだ」

と思えます。それと同時に

「こんなのが後40日も続くの!?」

という疲労感にも襲われます。

夏休みに大事なのは、この2つの感情をちゃんと味わうことです。

「1日にできることはこんなにある。ってことは、頑張れば夏明けにはすごいレベルアップできるじゃないか」

「1日はこんなにも長い。あと40日もやりきれるだろうか」

この2つを味わいながら10日くらいを過ごせれば夏はほぼ成功です。


10日を過ぎるくらいになると、1日の長さを感じなくなります。

夏休みが終わりに近づくと、1日が短くさえ感じられます。

しかし、そういった感情を味わうには、「1日が長く感じられて仕方が無い最初の10日間」をしっかり乗り切ることが必要です。

というわけで、この夏期講習、これからの10日間がマジで勝負です。

しっかり頑張っていきましょう。

タグ:夏期講習
posted by たいまつ at 17:03| Comment(0) | 夏休み

2014年07月17日

「いつもの頑張り」から一歩抜け出す経験をせよ

世の中では「口で言っても伝わらないこと」があります。

たぶん、人生の中でも重要度が高いことほどそうです。

たとえば先日も書いた「本気」ということ。これはなかなか口で伝えるのが難しいことです。今年の僕は、「自分が本気になっている姿を見せる」という形で何とかそれを伝えようしているわけですが、それで完全に伝わるわけではありません。

僕の本気に触れるのはあくまでも「きっかけ」でしかありません。

僕をきっかけに本気の「入り口」に立つ。

そして、その入り口にたったことを機に一気に「本気ゾーン」に突き進む。

本気の人間は、やっている最中に「自分は本気かどうか」なんて考えません。考える余裕がないからです。

夢中だったり、必死だったり、状況は多少違うかもしれませんが、とにかく目の前のことに対して一心不乱な状態です。

そうしているうちに、やがて出すべき結果が出せる。

その後でほっと一息ついたところで初めて「これが本気って感覚か」とわかるのだと思います。

一度体験ができれば、後はもうちょい楽です。言葉ではうまく説明できなくとも、感覚として体が覚えていますから、その本気の再現は随分と楽になります。

ここ数週間に怒鳴りつけた子たちが、どんどんそういうプロセスに足を踏み入れてくれています。

終電を逃す生徒が続出するので、夜はあっちこっちに生徒を送っていく日々です。

朝練もあるのでこちらも体力的にきついものがありますし、ちょっと非常識な時間ですからずっとこんなことを続けるつもりはありません。

しかしその一方で、終電逃してでも頑張る生徒を止める気にもなりません。

「本気になる」というのは今まで自分が踏み込んでいなかった領域に踏み込むということなのです。


人間には色々な「常識」があり、「仕方のない事情」があります。

終電があるから今日はここまでにしよう。

連日の勉強で疲れているからこんな状態でやってもしかない。今日はここまでにして明日また頑張ろう。

今日だけ頑張っても仕方ないからこのくらいで止めておこう。大事なのは継続なんだから。

なんだか気分が乗らず集中できない。いったん休憩を入れてみよう。

息が詰まってストレスが溜まる。こんな状態じゃ身につくものも身につかないから1回気晴らしをしよう。

全部まっとうな理由です。とても常識的で、勉強が止まっても仕方のない事情です。

「本気になる」というのは、こういう誰が見ても仕方ないと思える状況の中でも「やる」を選ぶということです。

要は優先順位の問題なんですね。「本気になる」というのは、「やる」が優先順位の1位になることです。

終電 > やる

疲れ > やる

今日だけ頑張ってもしかたない > 今日頑張る

集中できない > やる

ストレス > やる

結局は、その「仕方のない事情」が「やること」よりも優先順位が上なのです。

もちろん、毎回こういうものに負けないなんてのは無理です。

終電なんか気にしちゃいけない。疲れててもやり続けないといけない。ストレス解消なんてもってのほか。

そんなわけはありません。そんなことをしていたら受験本番を迎えるまえに力尽きてしまいます。

しかしながら、それと同様に、いつもこういった「仕方のない事情」に負けていてはいつまで経っても「本気」を肌感覚で体得することはできません。

いつも「仕方ない」。

そしてその先にあるのは「不合格でも仕方ない」です。

だから、「いつも戦うわけじゃないけど、やるときにはトコトンやる」が大切です。

「今までの自分だったらここで止まってしまっていた」

というところで止まらずにやることが大切です。


何もそれは「勉強時間」だけに限ることではないのです。

今までだったらここでもうギブアップして答えを見てしまっていた。

今までだったらここでもう先生に質問に行っていた。

今までだったら「まぁこういうものだと覚えておこう」で済ませてしまっていた。

こういう「今までだったら」の先を行くことが大切なのです。

今までだったらここでもうギブアップして答えを見てしまっていたけど、もう一度初めから解き直してみよう。違うやり方を試してみよう。

今までだったらここでもう先生に質問に行っていたけど、解説をもう一度読み返してみよう。映像をもう一度見返してみよう。1つひとつ手を動かしながら解説を読み解いてみよう。

こういうことだってよいのです。

共通するのは「自分の今までの枠の外に踏み出すこと」です。

以前のブログで「1ずつ成長する」ということを書きました。

今週は[やれること5]でも、来週は[やれること6]に成長しようということを書きました。

でも、冒頭に書いたように大切なことほど言葉では伝わりません。

「いい話を聞いた」で終わってしまいます。

この「やれることを増やす」ということもそうです。

生徒は「頑張って勉強すること」が5を6に変えると勘違いしています。

そうじゃないんです。どれだけ頑張ったって、いつも通りの頑張りなら、それは[やれること5]のままなのです。

頑張っている以上、3や4ではないけど、自分のそれまでの枠の外に出てはいないので、あくまでも[やれること5]は変わっていないのです。自分の限界は全然広がっていない。

そうではなく、いつもならここで止めてしまうことの外に踏み出したとき、初めて[やれること5]は[やれること6]へと進化します。

自分が「いつもの枠の外へ出たこと」を感じ取るためには、一度でいいから「枠の外へ出る」というのがどういうことかを肌感覚で実体験することが必要です。それを一度でも感じることができれば、生徒は自然に成長していくようになります。

この7月中にそれがわかるか。

それは彼らの夏休みに大きく影響します。ということは、ある意味で教科の指導をすること以上に合否に「直結」する大切な指導です。

うちの塾では、そういう指導を何よりも大切にしていきたいと思っています。

だから君たちも頑張れ。

いや、一緒に頑張っていこう。
posted by たいまつ at 00:31| Comment(1) | セルフマネジメント