2014年08月04日

いま自分はどんな勉強の仕方をする段階なのかを見極めることがとっても大切

生徒の成績が伸びない原因は大きく2つしかありません。

(1).そもそも勉強していないこと(勉強時間が不足していることも含む)

(2).勉強のやり方が悪いこと

もちろん大多数は(1)が原因で成績が伸び悩みます。

「先生〜。英語ができないんです」

という悩み相談をしてくる生徒のほとんどは大して英語を勉強していません。

前回の授業内容を質問してもほとんど答えることができません。

残念ながらこれでは成績が伸びるはずはありません。

身もふたもない言い方に聞こえるかもしれませんが、解決策は

「ちゃんと勉強しよう」

しかないわけです。

勉強時間が少ないのに何かうまいやり方で成績を伸ばしてしまおうというのは、残念ながらただの怠け根性でしかないのです。

ただし、だからといって生徒が悪いと考えてしまったら今度は塾として、塾講師として終わりです。

だって生徒が勉強しないのは当然だもの。だからわざわざお金と労力を使って塾に来てるんです。

まぁこの辺りは以前に語ったので多くは語りません。興味のある人は下記の記事でも読んでください。

http://shomeijuku.sblo.jp/article/101716001.html

今日の本題は上記の(2).勉強のやり方が悪いこと、についてです。

これはこれでとても大切です。

頑張っているのに成績がうまく伸びないのでは、せっかく(1)をクリアしたのにその火が消えてしまいます。

逆にしっかりとやる気をもって勉強を実行し、ちゃんとその努力を成果に乗せることができれば成績は必ずあがるのです。

本質的に言えば、この2つこそが塾の先生の最重要の仕事であって、質問対応や授業なんてのはただのおまけみたいなものだと私は思います。

最近感じるのは、どちらも経験と試行錯誤、成功体験、そしてもちろん失敗体験などによって少しずつ能力として養われる1つの「職人芸」のようなものだということ。

私が初めて塾の講師として仕事をしたのは18歳の大学生の頃で、その頃はその頃なりに

「これは俺の天職じゃないか」

と思っていたものですが、やっぱりあの頃の自分と今の自分では全く比べものにならないくらい実力の差を感じます。

特に最近は、学生アルバイトに任せきりの塾が増えてきた(というよりも大多数?)と思いますし、指導についてもフランチャイズ形式のところばかりになってきました。

人ごとながら、そしてかつての自分のそういった「積み上げのなさ」を今の自分と客観比較できるからこそ、

「これ、塾業界大丈夫?」

と思います。とにかく圧倒的に教える側の「経験と試行錯誤の積み重ね」が足りない。

もちろん経験不足をとがめるのは野暮ってものです。誰だって最初は初心者なんだから。

大事なのはこれからです。1年後、3年後、5年後を想像したときに、今の自分の延長線上にそういった

「職人芸を身につけた自分」

を想像できるかどうか。たぶんそんな自分を想像できない塾人がほとんどなのではないかと危惧しています。

いやいや、こんなことを書きたかったんじゃない。

今回書きたかったのは生徒向けの(2)についです。

単に「勉強のやり方」といっても小さいことから大きなことまで非常に盛りだくさんですから、一概に「学習法」を語るわけにはいきません。

ですので、今回は私がここ最近非常に感じている大切な視点に絞ってお伝えします。

何の教科であれ、問題を解くというときには2つの側面があります。

a. 問題を解くのに必要な知識・考え方を仕入れること

b. 仕入れた知識・考え方を活用して目の前の問題に取り組むこと


この2つです。まぁ当たり前ですね。でも、その当たり前のことが大切なのです。

aとbのどちらが不足しているかによって、生徒の勉強方法は180度代わります。真逆です。

それぞれ簡単に見てみましょう。

<a. 問題を解くのに必要な知識・考え方を仕入れること>
・授業や参考書を通して、学習単元をしっかりと理解する。
・理解できないことがあれば積極的に質問する。
・問題を見ながら一通り自分の口で説明できるかどうか試してみる
・うまく説明できないところは授業を見返したり、ノートを見返したり、質問したりして解決する
・再度自分の口で説明できるようになるまで頑張る

aの段階ではこんなことが大切になります。授業・参考書・質問など周りの人の力をどれだけ借りてもよいので、とにかく疑問点を残さないことが大切です。

<b. 仕入れた知識・考え方を活用して目の前の問題に取り組むこと>
・時間は無制限でよいので自分なりに納得の行く答えを出し切る
・ちょっとやそっとでは答えを見ない
・「わかりません」「どうしたらいいですか」という質問はしない
・一定以上時間がかかるようなら答えを見て良いが、答えを見てからが勝負
・解答を見てもわからない場合は、答えから逆算して「どういう考え方をすればこの答えに辿りつけるか」と考える
・先生への質問は原則として自分なりに出した解答・考え方があってるかどうかの確認作業とする

こんな感じです。つまり、極限まで自分の力を出し切ることが重要であり、周囲の力を借りることはほとんどがマイナスに働きます。

多くの伸び悩みの原因は、上記のうちの(2)がうまくいかないことです。

言い換えれば、(2)の勉強をうまくできる人はびっくりするくらい成績が上がります。

では、どうするか。2つのことに気をつけつつ、後は途中でくじけなければ大丈夫です。

重要ポイント1.テキスト選定

まず何よりも大切なのがテキスト選定です。これを間違うと成績が伸びないか・挫折かの2択になりますので注意しましょう。

選ぶポイントは1つだけ。

今の自分の実力で60%〜70%くらい解けるもの。50%以下になるようならすぐに(途中でも)変更する。

これが大切です。

正答率が80%を越え出すと、試行錯誤の量が一気に減ります。スイスイ解けるのは気持ちがよいものですが、それでは自分の頭を鍛えることに繋がりません。つまり成績は伸びないと言うことです。

一方で、正答率が50%を下回るとわからないことだらけで考えることすらできなくなります。時間ばかりかかってしまい肝心の思考力を鍛える勉強に繋がりません。やっぱり成績は伸びないのです。

重要ポイント2.取り組み方法

1. まず普通に解ける問題が40〜60%くらいあるはずなので、これを普通に解きます。

2. 次に10〜20%くらい、時間を考えれば解ける問題があるはずなのでこれに時間をかけてしっかり考え解ききります。ここで絶対に妥協してはダメです。

3. 次に5%〜10%くらいの割合で、どれだけ考えても解けない問題が残ります。ここについては解答・解説を読み、自分の何が間違っていたかをしっかりと検討します。検討後、必ず何も見ないで解き直しをすることが大切です。

4. 最後に5%くらい(時には0%のことも多い)、解答を見てもわからない問題があります。これについては、解答があれば何が最終的な答えになるのかはわかるわけですから、「どういう考え方をすればこの答えになるだろう」という視点で検討を進めます。

自分なりに正しい答えへの筋道を作ることができたら、今度はもともとの自分の考えと比較して、なぜ自分のやり方ではダメなのかも考えます。考えたことはしっかりとメモっておき、次回以降に同じ失敗をしないよう、そのメモを見ながら次の問題に挑みます。

以上の4つくらいの段階をちゃんと乗り越えることが大切です。

というわけで、随分と長々と書いてしまいましたが、勉強法の第一として、今の自分がどの段階の勉強にいるのかをしっかりと見極めましょう。

繰り返しになりますが、

a. 問題を解くのに必要な知識・考え方を仕入れること

b. 仕入れた知識・考え方を活用して目の前の問題に取り組むこと

この2つの勉強はどちらも大切で、しかも重視すべきことが正反対です。

今の自分は積極的に質問する側なのか、意地でも質問してはいけない側なのか。

その見極めをしっかりと行い、意味のある勉強をしてください。

タグ:勉強法
posted by たいまつ at 12:49| Comment(0) | 勉強法

2014年07月24日

簡単なことをしっかりとやろう

「受験勉強」と聞くと何か高度なことをやるイメージを持つ人が多いのですがそれは間違いです。

もちろん合格のためには多少高度なことも身につけねばなりませんが、それは割合としては極わずかです。

また、高度なことを学ぶためにはその前提として「簡単なこと」がちゃんと出来なければいけません。

簡単なことがちゃんと出来ない状態で高度なことを学ぼうとしても、全部が空回りして結局うまくいきません。

以前の教え子でとっても英語が苦手な生徒がいました。中学の頃から本当に苦手で、高校に入っても赤点以外はとったことがなかった。

僕は彼女を高校1年から担当していたのですが、高3を迎える頃になっても全く力をつけてあげることができていませんでした。

十分に簡単なことからやっているつもりなのに全然伸びてこない。

いよいよ大学受験を控えた高3になってしまうところで、思い切って開き直りました。

「できなくなったところまで戻ろう!」

で、どこまで戻ったかというと中学1年の1学期です。もう、本当に最初。6年前にタイムスリップ。

「こんなことやっていて本当に間に合うのか?」

と不安がる生徒でしたが、本音を言えば僕も不安です。

でも、今の指導では伸びないことがもう2年もかけて証明済みなのですから、これ以外に道はないわけです。

結果どうだったか。

彼女は大学には受からず、今は浪人生活を送っています。

でも、英語の苦手は随分解消されました。

先日、センター英語の過去問で152点が取れたという報告をもらいました。

ちなみに昨年のデータを見ると、7月6日の点数が39点です。

随分頑張ったね。今年は合格しような。

で、思ったわけです。

こんな風に中学英語からの積み直しをしたら点数が伸びてくるってことは、中学で学ぶことは想像以上に大切なんじゃないかと。

そこで調べました。

もっともわかりやすくて定量的にはかりやすいのが英単語なので、英単語という切り口でセンター試験を分析してみます。

センターで使われた全部の単語をexcelに打ち込んでいって、同じく中学英単語・高校1年・高校2年…と打ち込んで、vlookupでぶつけてピボットで集計。

と言う形で調べてみたら、面白い結果が出ました。

まず前提としてですが、受験用の英単語集には基礎単語が掲載されていません。

「大学受験生ならこれくらいは知ってるよね?」

という前提で省かれています。もちろんここには、

「このレベルの単語まで掲載していたら単語集が分厚くなってしまってうれない」

という商売上の理由もあります。

という前提の上で、「受験用単語集から省かれた基本単語」と「受験用単語集に載っている英単語」の2つの切り口でセンターの英単語を調べてみると、次のような結果になりました。

<受験用単語集から省かれた基本単語>
・中学英単語の占める割合…43%
・高校基礎(1〜2年)の英単語の占める割合…37%
 
 合計80%

受験用英単語集に載っている単語の割合
…ターゲット1900の場合 27.9%
…シスタンの場合    24.3%

 大体25%前後

なんと、基本である「簡単な」単語が全体の80%を占めるのです。

つまり、基本的な80%の単語は知っていることを前提に、残りの20%くらいをしっかり覚えていこうというのが受験用英単語集のコンセプトなわけです。

ちなみに、これはセンターだからこうなるかというと、そういうわけではありません。

同じことを早稲田、同志社、京都あたりの英文でやってみても(多少難単語の割合が増えるにしても)同じような傾向になります。

言い換えれば、「簡単な」基本単語80%の中に穴が空いている状態でいくら受験用の「高度な」英単語に手を出しても、知ってる単語は全然増えていかないということです。

うん。やっぱり基礎は大事だね。

先に挙げた英語が苦手な生徒の事例にしても、今挙げた英単語にしても、やっぱり受験で大切なのはまず何よりも「簡単なこと」をちゃんとできるようにすることなんだということがよくわかります。

一点、この基礎で大事なのは「わかるかどうか」ではなく「できるかどうか」です。

それも、「時間をかければできる」ではなく「即答できる」というレベルの定着度が大切です。

「中学や高校1〜2年レベルのことならわかります」

という生徒はたくさんいますが、この「わかる」にもレベルがあることを知っておきましょう。

「理解はできる」「時間をかければできる」「いくつかミスはあるけれど大体解ける」「即答できる」

どれも「わかる」のうちに入りますが、全然レベルは違います。

「簡単なこと」は上記の中では「即答できるレベル」で身につけねばなりません。


もしも頑張っているのに成績がうまく伸びないとしたら、難しいことに取り組むよりも、このような「簡単なこと」がわかっているかどうか、そしてそれが「即答」のレベルに仕上がっているかどうかに目を向けてみると良いかもしれません。

というわけで松明塾ではこの夏期講習期間に受験に向けた勉強と並行して中学の復習を徹底的にやっています。

実際にやってみると、上記の「大体わかる」状態にある生徒が非常に多いことがわかります。

あぶないあぶない。せっかく彼女が浪人してまで僕に教えてくれた経験を無駄にするところだった。

これは恐らく「英語が苦手な○○くん」といったレベルの話じゃなくて、松高生や松女生の共通の特徴だと思います。

ですから、もしこれを読んでくれた松明塾生以外の松高生・松女生がいたら、取り返しがつかなくなる前に「自分もそうじゃないか?」と疑ってみてください。

もちろん中学の内容ばかりやってるわけにもいかないので並行作業にはなるけれど、この夏の間にちゃんと即答レベルまで仕上げましょう。

それが2学期以降の成績アップに非常に大きな意味を持ってくるはずです。

posted by たいまつ at 11:47| Comment(0) | 勉強法